コメット・モンブラン(フランス)は貴族で外交官。
1861年(文久1)から翌年にかけて滞在し、権謀術策に長けた人で、幕府と薩摩を相手に上手に両者の間をわたり暗躍したといわれています。
しかしモンブランが書いた見聞記には、そうした政治の裏面で暗躍した人物像はうかがえず、むしろ日本に対して偏見のない真摯な見方をしています。
日本の風習について、フランスで定着しはじめた偏見を是正しようと、十分に物事を見ないで、またあらゆる事柄を考慮に入れずに非難するのは正しくないと書いています。
モンブランは日本人の長所として活力、仕事への積極性、好奇心、理解が非常に早いことをあげ、日本人の注目すべき点として、恥の論理にも繋がる名誉感を指摘しています。
中国との比較で、中国人は物質的関心しかないが、日本人の場合には、道徳的な要求と物質的な節度は調和している。
日本人の献身感、連帯感は、中国人より遥かに優れていると言っています。
日本の伝統を愛するようになったモンブランは、そこから脱出しようと図る明治日本の動きを強く批判するのです。
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