⑰アレクサンダー・ヒューブナー(オーストリア)

 アレクサンダー・ヒューブナー(オーストリア)はオーストリア・ハンガリー帝国の外交官。フランス大使やクリミア戦争の全権大使などをつとめ、引退したのち世界一周の旅に出て1871年(明治4)来日、日本には2か月ほど滞在しました。
帰国後『世界周遊記』をまとめ、日本についても多くの部分をさいています。
アーネスト・サトウ(イギリス公使)と共にしたかこね、鎌倉を巡る旅では、あらゆるものがこの国ではにこやかに笑っているのだ、植物も、人間も美しい自然と陽気な庶民たちを歌うように語っています。
またヒューブナーは当時外国人には不可能だった天皇との謁見に成功し、外交官の手腕をいかんなく発揮しています。
ニューブナーの文化を見る眼も確かで、日本の絵画について、日本の我かは遠近法の規則から意図的に逸脱していると述べ、さらに明治政府の廃仏毀釈について、私自身は仏教の神に全く共感を覚えないが、それでも少しも宗教らしくない御上の宗教を復興するという口実で仏教や仏教寺院を破壊すれば、民衆から信仰を奪い、さらに由々しいことは、信じるという能力を奪うことになるのではないかという深い洞察には驚かされます。

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