88) 日本人の繊細で鋭敏な、移ろう季節を「見つけ出す力」。「感じる力」。

夏の土用(7月19日(火)~8月6日(土))の18日間、一年中で最も暑い時季ですが、土用も半ばを過ぎると夜はもう秋かと思わせる涼しい風が吹くことがあります。これを「夜の秋」といいます。まだ夏なのだけれども夜は秋の気配が漂うことを言うのです。
8月7日(日)は立秋。立秋といっても日中は真夏のように暑い、しかしその暑さの奥にかすかな秋の萌しを見つけ出す日本人は季節にとても敏感です。
暑い盛りに、いち早く夏の終わりを感じ取り、秋の萌しを見つけ出す。このような季節の移ろいを「見つけ出す」という想像力こそ日本人の繊細な季節感を培ってきた力なのでしょう。
立秋を過ぎると、あたりを見わたすと風の音ばかりでなく、秋の気配はあちらこちらに見受けられます。
立秋を境にして夏の暑さは秋の「残暑」に、夏の涼しさは秋の「新涼」に改まります。
「極めれば終わる」「極めれば萌す」は日本人の鋭敏な季節感です。

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