92) “ともいき”“ともうみ”“ともさち”そして和。ジャパネスク。

われわれ日本人の祖先は、共に生きる“ともいき”という自然観、共に生み出す“ともうみ”という創造力、共に幸せに生きる“ともさち”という倫理観を育て、これら三つの精神的基盤の基層に、共に和む“和”という人生観を培い、これを旨として毎日の生活を過ごしてきました。
これは祖先が長い年月をかけて育て培ってきた日本人の「生活の知恵」なのです。
しかし、明治維新以降、欧米文化・文明を猛烈な勢いで取り入れ、欧米諸国に「早く追いつけ、追い越せ」と必死にもがいた結果、祖先が育て、培ってきた日本人の世界観、日本人のこころが少しずつ失われ始めました。
欧米文化・文明が強く素晴らしく、日本の文化・文明は劣っている、悪いという空気が蔓延したのです。特に、太平洋戦争敗戦後は、そのような空気が一段と強くなりました。
しかし、敗戦後71年も過ぎ、行き詰った現代の社会を見渡すと、かろうじて現代の日本人にまだ残っている“ともいき”“ともうみ”“ともさち”そして和の「ジャパネスク」には、欧米近代を越えた未来への可能性が強く感じられ、これこそ国際的な普遍性を持つ次の時代の価値観ではないかと私には強く、強く思えるのです。
これからも「ジャパネスク」を倦まず、弛まず声を大きくして主張してゆく決意です。

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