日本は一年を通して季節の変化が微妙・多様な、珍しい国です。昔から手紙の書き出しは、季節の挨拶から始まるのが常識でした。
私たちは季節の変化を敏感に感じ取り、生活に取り入れ自然と共に生きてきたのです。
では私たち日本人は一年を通じて、どのように季節を受け取り、それを暮らしに生かしてきたのでしょうか。
基本になったのは「二十四節気」という暦です。
二十四節気は中国の戦国時代(紀元前300数十年ころ)に黄河流域の自然変化を基本に生まれたといわれています。
1年12ヶ月を24に分け節気と名づけました。
この暦が日本の渡来し、やがて日本の自然変化と整合されて完全に日本化。
江戸時代には不可欠の生活暦に定着しました。
数千語に及ぶ俳句の季語は二十四節気から生まれた季節の表現語で、世界に例がありません。
また旬の味覚も二十四節気と密接な関係にあり、日本独自のものです。
最近、二十四節気への関心が高まり、さらに二十四節気七十二候と細やかな季節の変化を楽しむ傾向が強まっています。
二十四節気は約15日ごとに、七十二候は約5日ごとに自然の姿は移りゆくという見方の表現です。
「時は、回帰循環する」という自然観照も日本的な特徴といえましょう。
一年四季から、一年二十四節気、さらに一年七十二候。
ますます微妙な自然のうつろいを表現する旧暦は体験から得た生きた科学といえそうです。
科学技術、とくにデジタル技術が進みIT関連機器が増えるにつれて、人は「自然」との親しみ、共生を求めているのだと思います。
人間自身が自然の一部なのですから、当然の自覚といえるでしょう。
●詳しくは「ともいき暦」をご覧ください。
興味深いたくさんの日本人の知恵に出会えます。
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