71) もっと知りたい、日本。夜ごとに月の名前が変る国。

自然と風流を愛し、野暮を嫌う文化

雪と月と花、雪月花。古くからよい眺めの代表です。そのひとつ、月はほぼ29,5日で地球をひと回りしています。見える月それぞれに名前を付けて鑑賞し、楽しみ、詩歌にうたってきた日本。これほど月を愛し、祈り、遠い空にありながら身近な存在にしてきた国がほかにあるでしょうか。
とくに9月の満月にはお供えものをして祈り、収穫を感謝して暮らす日本。月は能や歌舞伎、文学でも重要な役割を果たしています。日本人にとって、月は暮らしのなかで、語り合う相手になっているようです。
月の名前、いくつご存知ですか。
月名は次のように変ります。新月→二日月→三日月→上弦(じょうげん)・七日月→十三夜月・十三日月→小望月・十四日月→満月・十五日月→十六夜(いざよい)・十六日月→立待月(たちまちづき)・十七日月→居待月(いまちづき)十八日月→寝待月(ねまちづき)・十九日月→更待月(ふけまちづき)・二十日月→下弦(かげん)・二十三日月→三十日月(みそかづき)→新月で、ひと巡り。
満月の翌日は座って待ち、その翌日は立って待ち、さらに二日後は寝て待つという念の入れよう。昔の日本人は、心から月を愛していたのですね。私たちも、月を見上げる習慣を受け継ぎ、外国の人に自慢したいものです。

田んぼに月を映して眺める風流
月夜には、段々に区切られた棚田の一枚一枚に月の姿が映ります。幾つもの月を同時に見て楽しむ。これが「田毎(たごと)の月」。棚田ならではの月夜、独特の光景です。遊びの工夫がうまい日本人ならではの風流でもあります。
心にゆとりあればこその鑑賞法。現代人も、もっと月を愛し楽しみましょう。
職場でも「夕べの月見た? 素敵だったね」と言えるようになりたいですね。
日本、不思議な国をさらに不思議に!

●「ともいき」のホームページ「浮世絵・雪月花」の映像と「満月の夜」の映像をお楽しみください。
 特に、「満月の夜」の映像の中に「十三夜・後の月」の映像があります。
 ぜひ、ぜひご覧になってください。

※「ともいき暦」の10月25日の○印をクリックしてください。

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